小泉線

小泉線は東武鉄道の路線の中でも地味な路線であるかもしれない。同じ伊勢崎線系の支線区の桐生線には特急「りょうもう」号の大半が乗入れており佐野線にも一往復だけだが「りょうもう」号が乗入れているが小泉線だけは浅草からの直通列車がなく全て普通列車での運転となっている。
その小泉線は2006年（平成18年）3月18日改正で太田での桐生線との直通運転化・つりかけ車5050系の引退、さらに7月4日からの全列車8000系２連化による1800系の引退、そして9月28日からの全面ワンマン運転化など最近目まぐるしい変化があった。この機会に小泉線について紹介することにする。
　

• 路線形態
  
  小泉線は全線単線で館林−西小泉間（13.2キロ、所要約18分）と太田−東小泉間（9.1キロ、所要約9分）の二つの路線から形成されておりどちらも小泉線を名乗っているのが特徴である。館林発と太田発の列車が下りであるが接続駅の東小泉では太田からの路線は館林方向に合流しており、太田−西小泉間の列車は東小泉でスイッチバックをすることになる。
  　

  駅一覧	館林（たてばやし） [伊勢崎線・佐野線接続]	成島 （なるしま）	本中野 （ほんなかの）	篠塚 （しのづか）	東小泉 （ひがしこいずみ）	小泉町 （こいずみまち）	西小泉 （にしこいずみ）
  太字は有人駅。篠塚・小泉町は交換設備無し（2006年9月現在）。						竜舞 （りゅうまい）	太田（おおた） [伊勢崎線・桐生線接続]

  
  　

• 運転形態
  
  小泉線は全て普通列車で館林口、太田口とも昼間は１時間に１本の運転となっている。館林口は全て館林−西小泉間での運転。太田口は2003年3月19日改正より8000系２連によるワンマン運転となっていたが2006年3月18日改正で同じくワンマン化された桐生線と赤城−太田−東小泉間の直通運転となり、太田−東小泉・西小泉間の列車は少数となった。東小泉では基本的に西小泉方面と接続するダイヤで、太田−館林間を乗ろうとすると東小泉で待たされることになる。また昼間の太田での伊勢崎線との接続がよくないのも残念である。
  かつては太田−館林間を伊勢崎線をショートカットする格好で運転する列車もあった（行先表示は単に「太田」「館林」のみで小泉線経由である旨の表示はなし）が今はなく、また太田経由で伊勢崎−西小泉間運転の列車もあったがこれも今はない。2003年3月改正までは通学生向けに館林−成島間の一駅間だけを運転する列車もあった。
  
  　
• 使用車輌
  
  かつては旧性能・車体更新車の3050系の独壇場であったが同系は1996年（平成8年）5月で引退し同時に東武全線全列車の冷房化が完了した。その後は同じく旧性能・車体更新車の5000系・5050系と東武の主力通勤車でもある8000系が主力となった。特に5000系・5050系は関東大手私鉄最後の旧性能（つりかけ駆動）車といってもよく貴重な存在であったがその後休車・廃車が続出し、ついに2006年（平成18年）3月18日改正での支線区ワンマン運転の拡大に伴い引退となった。また2001年（平成13年）5月に元急行「りょうもう」号の1800系の一般車化改造車が登場し主に佐野線で使われていたが時々小泉線でも使われていた。2006年3月改正で佐野線がワンマン・３連化されたためこの1800系改造車は小泉線館林−西小泉間のみの使用となったがそれも束の間で先述のように同7月4日からの小泉線全２連化により引退となった。そして現在では小泉線全列車が8000系２連によるワンマン運転となっておりしばらくこの状態が続くものと思われ3050系の引退から10年あまりの変動期もひとまず落ち着きを見せた。
  
  ※単一形式のみ使用の線区（2006年9月現在）：亀戸線・大師線・野田線・小泉線・東上線小川町−寄居間、いずれも8000系のみ使用。
     また野田線以外は全てワンマン車。
  　

支線区の主力車輌だった3050系。 （1994-1 高架化前の太田駅）		3050系に代わって主力となった5050系。貴重な つりかけ車であったが2006年3月改正で引退した。 （2003-8　東小泉）
元「りょうもう」号1800系の一般車化改造車。 小泉線を最後に2006年7月で引退した。 （2006-3　館林）		現在の小泉線は全て8000系２連でのワンマン運転 となっている。 （2006-10　館林）

• 沿線のみどころ
  
  小泉町駅から西小泉駅にかけての線路沿いに公園が見えるがこれは城之内公園と呼ばれその名も「小泉城」の跡地であり園内には数多くの石碑や古墳なども見られる。
  終点の西小泉駅で線路は行き止まりになっているがその延長線上に「いずみ緑道」という名の長大な遊歩道が続いている。これはかつて利根川沿岸まで延びていた仙石河岸線（せんごくがしせん）という貨物線の線路敷を遊歩道にしたものである。いうまでもないがかつて熊谷と妻沼を結んでいた東武熊谷線は利根川を越えてこの仙石河岸線と接続し西小泉まで延長される計画であった。
  その他、小泉線の各駅はかつての貨物輸送華やかな頃の名残である側線跡などが見られる。
  
  　

  西小泉駅。 (2001-7)		東小泉駅。 (2001-7)
  小泉町駅の駅名標。 (2001-7)		竜舞駅の木造駅舎。 (2002-8)

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• 秘めたる歴史
  
  今では普通のローカル線にしか見えない小泉線であるが元は軽便鉄道から出発し、沿線に軍需工場・軍事施設が存在したことから戦時中は軍事輸送に、戦後も進駐軍関連の輸送に大きな役割を果たしたこともあった。その小泉線の秘めたる歴史については改めて発表したいと思う。

小泉線の廃止駅の一つ、狸塚（むじなづか）駅跡 の記念碑。 （2006-10　成島−本中野間）

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※ようやく続編できましたのでこちらをご覧ください→

　

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